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日本・イスラエル国交樹立60周年記念 ベン=アミー・シロニー教授講演会

 2月17日(金)イスラエルの世界的に高名な日本学者(ジャパノロジスト)、ベン=アミー・シロニー教授をお招きして、西南学院コミュニティーセンターにで講演会が行なわれた。
 
 シロニー教授は1937年ポーランド生まれで、ナチの迫害を逃れてソ連に移住、難民生活を経て48年にイスラエルへ帰還。その後ヘブライ大学にて歴史・哲学を専攻、日本に魅了され論文「広島・長崎に投稿された原爆への一考察」で修士号を取得。さらに我国の国際基督教大学、米国プリンストン大学に学び博士号を取得。イスラエル帰国後ヘブライ大学東アジア学科教授となり、毎年500名を超える学生に日本の歴史と文化を講義し続けられ、現在はヘブライ大学名誉教授として両国関係発展のために尽力されている。

 今回の日本語で講演をされ、日本とユダヤの関係、日本の歴史、美的好奇心、知的開放性、ご皇室の特異性など多岐にわたって、日本論を語ってくださった。
 日本の素晴らしさを異文化の視点で教えてくださり、シロニー教授の日本への愛情をひしひしと感じる講演だった。
 
 特に私が感動したのは二点。
 一つは「日本人の清らかさ」ということ。
 食前に手を洗うのはもちろん、神社にお参るするときも先ず手や口を清めてからお参りする。ユダヤ人も手を清めてから食事をするし、ミクヴェと呼ばれる沐浴をして身を清める習慣がある。これは物理的に高い衛生水準を維持しただけでなく、心の清らかさの高い意識を維持してきた、ということ。
 そして二つ目は「皇室の永続性とその特異性」。
 日本の天皇は政治的権力を持たなかったため、他国の君主に比べると一見弱いように見えるが、目に見えない権威というものによって民族の結束力は高まった。天皇は日本人の父親のような存在であり、その役割は民族の共同体意識と自尊心の高揚に奉仕した。
 皇室の永続性は他に類を見ないもので、その存在が日本人を日本人たらしめているのは間違いがないこと。それは東北震災後の天皇皇后両陛下と日本人の関係に表れている。

 
 語られる日本語が学術的で言葉が難しかった感じはあるが、後で知り合いに聞いたらとても良い印象だったらしく、「普段日本人が気づかない内容を、全て日本語で話される情熱はすごい。日本の大学生に聞かせたい内容だった」との感想をいただいた。

 私は学生時代、ヘブライ大学でシロニー教授の「日本史概論」の講義と「日露戦争」のセミナーに参加していた。教授の講義はヘブライ大学でも最も人気があり、展望山校舎で最も広い講義室に入りきれなくなるくらい学生が詰め掛けていた。
 またご自分のセミナーの最後の授業では学生達を自宅に招き、自らお茶を入れてくださり、歴史の考え方について教えてくださった。「歴史にifはないと言うが、しかし歴史を見るときにifで考えると多角的な観点を持つことができる。例えば『もし日露戦争に日本が参加していなかったら』とか『もし日露戦争で日本が負けていたら』とか考えてごらん。世界がどう変わっていたか様々なことが考えられるね」ととても優しい口調で語ってくださったことは今でも強く心に残っている。
 
 教授の事務所では机の前に、内村鑑三が1918年へブライ大学定礎式にあたって書き記した言葉が掲げられていた。「過去幾多の大学者を生み出したユダヤ人は『汝らを苦しめたる者の子らはかがみて汝らに来たらん』と記した。そして、この大学は人類の将来に大関係を有するであろう。」
 シロニー教授はいつも日本を励ましてくださっているが、同時に日本人である内村鑑三の言葉も教授を励ましているようだった。

 シロニー教授と15年ぶりの再開(右端は家内)
shillony2.jpg

 最後に、教授は両国関係強化のために尽力なさっておられる一端を紹介したい。
 今回の講演で司会を務められた神藤燿(あきら)日本・イスラエル親善協会会長が、話してくださったこと。
 1989年、昭和天皇崩御の際、当時イスラエルのハイム・ヘルツォグ大統領が大喪の礼に参列に対しイスラエル国内で反対の声が上がった。それは第二次世界大戦で日本とナチス・ドイツは同盟国だったからだ。しかしシロニー教授は「昭和天皇とヒトラーは違う。それは戦後民主主義と平和のために努力されたからだ。また日本は戦時中ユダヤ人を助けてくれた」とラジオや新聞で主張され、結果ヘルツォグ大統領は大喪の礼と今上陛下の即位の礼に参列することができた。

 シロニー先生、本当にありがとうございました。
 そして日本とイスラエルの関係がいよいよ大きく発展していくことを心より願います。

 
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プロフィール

ヨハナン

Author:ヨハナン
「イスラエルの風」へようこそ
ヘブライ語教室マアヤン・リナーの講師、児玉直純です。
福岡で、おそらく九州で唯一のヘブライ語教室です。また翻訳・通訳をしています。
http://www1.bbiq.jp/maayan-rinnah/index.html

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