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聖書時代から引き継がれている習慣

 旧約聖書、創世記の終盤にはヤコブがエジプトの地で息をひきとる場面がある。自分の死期が近づいたヤコブは、その子ヨセフを呼んで「私が死んだらエジプトから運び出して先祖達の墓に葬るように」と命じ誓わせている。そしてヨセフもまた同様にイスラエルの子らに誓わせている。
 そして創世記の記述通り彼らは現在イスラエルの地に葬られている。
 
 今でもこの記述通りに、外国で亡くなった遺体をイスラエルの地に運んで埋葬するユダヤ人たちがいる。主にモロッコ系のユダヤ人だ。なかには、すでにモロッコで埋葬されて後数十年たってからイスラエルまで遺体を移送する人々もいる。
 モロッコのユダヤ人は非常に熱心なシオニストが多く、以前は26万5千人のユダヤ人が住んでいたが、1948年のイスラエル建国以後その多くがイスラエルの地に帰還して、今は3500人しか残っていない。
 感動的なのは、イスラエルで生まれ育った孫の世代が、「祖父母が父に約束したことを果たしたい」と言って、一度も会ったことのない祖父母の遺体をモロッコから移送してイスラエルで埋葬しなおすという。
 遺体の移送は非常に煩雑で長い手続きを経なければならず、時には数ヶ月もかかるとのこと。
 モロッコにある祖父母の墓を探し出すだけでも一苦労。いろいろなエージェントに依頼し、いろいろなお金を払い、お墓が見つかったら遺体をお墓から出して、埋葬布にくるむ儀式と新たな野辺送り。
 
 モロッコはイスラム教国ではあるが宗教的にも寛大で、ユダヤ人遺体の移送には協力的。ただイスラエルと国交はないので、移送はフランスを経由しなければならない。
 遺体がイスラエルに着いたら、改めて葬儀をする。しかしその葬儀は決して悲しみの葬儀でなく、イスラエルの地に帰ってきた喜びの葬儀となるという。遺体の子孫たちは話しを聞いていただけの存在に実際に会って、自己紹介をし、自分達の父祖とイスラエルの地で一つになる喜びで一杯になる。

 縦の関係が薄れている日本では理解しがたい感情だと思うが、私も留学時代イスラエルの地に帰還してきたユダヤ人が初めて踏む土地に口づけをして、父祖達の地に帰ってこれた感謝を捧げる姿を見たとき心が震える感動を覚えた。
 聖書に書かれてある事柄を追体験し続けているユダヤの国イスラエルの強さの秘密はここにもあるように思う。
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ヨハナン

Author:ヨハナン
「イスラエルの風」へようこそ
ヘブライ語教室マアヤン・リナーの講師、児玉直純です。
福岡で、おそらく九州で唯一のヘブライ語教室です。また翻訳・通訳をしています。
http://www1.bbiq.jp/maayan-rinnah/index.html

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